2010年12月18日土曜日

15歳でホステス、31歳で大学→苦難越え、異色の女性コンサル

 異色の女性経営者が神戸を拠点に世界を飛び回っている。海外マーケティングや企業PRのコンサルタント業務を行う「エー?アイ?クリエーション」(神戸市中央区)の社長、谷口愛さん(42)。父親の失踪(しっそう)や借金苦、15歳でのクラブホステスを経験するなど苦難の末に米国の名門?ステッソン大学を卒業し、昨年10月に海外マーケティングなどを手がける会社を設立した。「人生は自分で切り開くもの」。波乱の半生は、多くの人にこんなメッセージを投げかける。

 ■15歳で数千万円の借金生活

 「家中の家財道具に差し押さえの札がはられた」

 谷口さんは当時、15歳。小学校時代に父親が失踪後、喫茶店を営んでいた母親が事業に失敗し、借金がふくらんだ。荒っぽい取り立ての電話が鳴り響き、失意の母親に代わって、司法書士と家庭裁判所で交渉したのは谷口さんだった。電気も水道も止められた。

 年齢を23歳と偽ってクラブホステスとして働いた。18歳未満では働けないことは知っていたが、目の前の生活しか見えなかった。大阪?北新地などのクラブでちやほやされ、年収は1千万円を超えた。だが、「こんなことをしていたらあかん」との思いが募った。

 ■34歳で米の大学に合格

 「無知は恥ずかしい」

 クラブの常連客のこんな言葉が転機になったのは、20歳。数千万円にのぼった借金も、ほぼ返済したことで水商売をやめ、化粧品会社に就職した。学業から遠ざかった5年間の空白を埋めようと、家庭教師を雇って中学校の勉強から始めた。働きながら通信制高校で学び大検に合格し、31歳で神戸の女子大に進学。だが、合コンに明け暮れる女子大の生活はすぐに色あせ、「もっと学びたい」と強く思うようになった。

 学生時代に結婚した夫の米国転勤とともに大学は中退。学ぶことへの渇望から、米国ではフロリダ州の名門私立大学、ステッソン大学の受験に挑戦した。

 34歳で合格。入学時は最下位だったが、政治学と国際関係学を専攻し、学業に打ち込み、卒業時は成績優秀者となった。

 ■波乱人生を経て「夢はかなう」

 卒業後はフロリダ地方裁判所で判事の秘書を務めていたが、平成17年に日本へ。個人で企業の海外マーケティングや海外進出をサポートしたり、ホテルの再生事業を手がけた。

 そして昨年10月には会社を設立。メーカーの海外進出のコンサルタントなど順調な立ち上がりで、今年4月に神戸市中央区に事務所を移転したのを機に、事業展開を本格化した。

 クライアントの建材メーカー、森田アルミ工業(大阪府阪南市)の森田和信社長は「モノづくり企業だけに技術に自負はあるが、良い製品を世界に売り込む谷口さんの手腕に期待している」という。

 波乱の半生の末にたどりついた経営者の道に谷口さんはこう話す。

 「人は生まれる場所や境遇を選べないが、年齢や性別などに関係なく、あきらめなければ夢はかなう」

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引用元:石材販売、石材情報の専門サイト

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